「永遠の輝き」と呼ばれ、愛され続ける宝石「ダイヤモンド」。 華やかで美しい輝きが身も心も美しくしてくれて、比較的どんな装いにも合わせやすい宝石です。

一方でハイグレードと呼ばれるダイヤモンドは誰もが手にすることができる価格ではないというのが現状でした。
そんな中で、今注目されている新しい形のダイヤモンド「ラボグロウンダイヤモンド」は聞いたことがあるでしょうか?

日本ではまだ馴染みが薄い「ラボグロウンダイヤモンド」ですが、実は天然ダイヤモンドと同じくいわゆる「本物のダイヤモンド」なのです。実際に欧米では2024年~2025年時点で、全体で販売されたダイヤモンドの実に約50%は「ラボグロウンダイヤモンド」というデータがでており、すでに一般に浸透しております。

今回はそんな「ラボグロウンダイヤモンド」に関して「天然ダイヤモンドとの違い」や、「人気の理由」、「メリットやデメリット」等をご紹介したいと思います。

この記事の概要について

ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違いは、分かりやすく言えば「野に咲くお花」か「ハウスで栽培されたお花」つまり同じものであるということ
ラボグロウンダイヤモンドの作り方は2種類「HPHT」と「CVD」
手の届く価格帯で憧れのサイズやグレードが手に入る、またエシカルで人と地球に優しいのも魅力
ラボグロウンダイヤモンドを選ぶときには、鑑定書の有無や、販売実績などがあり口コミ等信用できる情報があるか

ラボグロウンダイヤモンドとは

天然のダイヤモンドとの違いと共通点

ラボグロウンダイヤモンドと天然のダイヤモンドの違いは大きく4つ、「原石の生成過程」「原石の形」「成分の微妙な違い」「採取方法とサステナビリティ」です。

ラボグロウンのラボとは「研究所」を意味する「ラボ」、「育つ」という意味の「グロウン」をかけ合わせた言葉です。
つまり、ラボグロウンダイヤモンドは「研究所で育ったダイヤモンド」という意味で、ひとの手によって生み出されたダイヤモンドのことを指し、合成ダイヤモンド、人工ダイヤモンドと呼ばれることもあります。

もう少しわかりやすく例えると、天然ダイヤモンドは「野に咲くお花」「天然のマグロやブリ」、ラボグロウンダイヤモンドは「ハウスで育ったお花」や「養殖のマグロやブリ」、育つ環境は異なりますが、どちらも同じ結晶から生まれた同じ宝石ということです。

むしろ人によって管理された「ラボグロウン」だからこその不純物を含まない純粋な宝石の色合いを、同等の天然石の「数10分の1~数100分の1」の価格でお楽しみいただけます。

違い1:原石のでき方(生成過程)

天然ダイヤモンドが形成されたのは、30億年ほど前といわれています。地球の表面下150~200キロ以上の奥深くで形成されたダイヤモンドは、火山活動によって地表に押し出されました。現在採掘されているのは、地表に押し出された一部といわれています。

一方でラボグロウンダイヤモンドは、技術者の手によって研究所(ラボラトリー)で生まれます。
長い年月をかけて形成される天然のダイヤモンドに対し、ラボグロウンダイヤモンドをつくるのに必要な時間は数週間(約600時間程)程度。

生成方法には、天然のダイヤモンドと同じ高温高圧環境を再現する方法(HPHT)と、グラファイトや炭素ガスを原料としてメタンガスとマイクロ波で成長させる方法(CVD)の2通りがあります。

下の画像は、ラボグロウンダイヤモンドの種の状態から、原石が出来上がるまでの過程の画像です。

違い2:原石の形

天然ダイヤモンドの結晶は八面体(三角形が8つ組み合わさった状態)であるのに対し、人工ダイヤモンドは八面体に、正方形が6つ組み合わさった立方体の結晶が見られます。

違い3:成分の微妙な違い

天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドは、化学構造に関しては、両者はまったく同じ炭素の結晶体(C)です
が、天然ダイヤモンドは、形成中に取り込まれる窒素や、炭素以外の極小さな異物が含まれます。
およそ98%の天然ダイヤモンドには、炭素以外の不純物が含まれると言われております。

一方でラボグロウンダイヤモンドには、そういった不純な元素や、不純物が含まれることがなくありません。

天然のダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドを見分ける際には、この微細な成分の違い等を専用の機械で計測し判断します。

違い4:採取方法とサステナビリティ

天然ダイヤモンドの採取方法は、鉱山や川底・海などで人の手を使って採取を行う必要があり、特に鉱山での採掘作業に於いては、大量の土や岩を掘り、砕くことによる土壌汚染や、二酸化炭素を排出するなど環境的な負担大きいと言われております。

また、採掘現場での児童労働や低賃金問題、ひどいところでは無償で働かせるなど、人権問題などの原因となるケースが一時期大きな問題になったこともありましたね。

ラボグロウンダイヤモンドにはそういった二酸化炭素ガスの排出のないという点で、天然ダイヤモンドの採掘と比べると環境に優しくまた、採掘などが原因となる人権的な問題も生じない為、よりサステナブルであると考えられています。

そういった点からも、サステナブルやエシカル先進国である欧米ではラボグロウンダイヤモンドを購入する人が増えており、近年(2024年~2025年データ)ダイヤモンド販売量の約50%がラボグロウンダイヤモンドだったというのも納得です。

ジュエリーキャッスルのラボグロウンダイヤモンドについて

ジュエリーキャッスルで使用するラボグロウンダイヤモンドは、上記CVDで生成されたダイヤモンドで、全てGIA鑑定士資格を持つ選定士にて選別されたダイヤモンドです。
又、ラウンドカットは0.3カラット以上、ファンシーカットは0.5カラット以上のダイヤモンドのすべてに、国際的な鑑定機関である「IGIの鑑定書」が付属しますので、輝きも品質も安心してご利用いただけます。

ラボグロウンダイヤモンドは本物のダイヤモンド?

人工ダイヤモンドというと、天然ダイヤモンドと比較して「偽物」と捉える事もあますが、ラボグロウンダイヤモンドは「キュービックジルコニア」や「モアサナイト」等のダイヤモンドの代用品とは異なり、本物のダイヤモンドです。

ラボグロウンダイヤモンドの先進国である欧米では、分析学的・分類学的・科学的に、また見た目も天然のダイヤモンドと同じであるという事実から「本物のダイヤモンド」であるという認識が、広く受け入れられています。

商材の見解としての本物

FTC(アメリカ連邦取引委員会)が、天然ダイヤモンドもラボグロウンダイヤモンドも物質的には同じダイヤモンドであると認め、どちらも同様に「ダイヤモンド」と記載ができるようになりました。ISO(国際標準化機構)も同様の見解を示しております。

・ラボグロウンダイヤモンド品質については、天然ダイヤモンドと同様に「4C」基準で評価されます。

物理的・化学的特性、科学的に本物

天然ダイヤモンドも、ラボグロウンダイヤモンドも炭素の結晶です。また細かな分析においても、天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの化学組成も同じであり、本物と証明されています。

また、モース硬度(宝石の硬さを表す数値)でも天然ダイヤモンドと同様にラボグロウンダイヤモンドも「モース硬度10」となっており、ダイヤモンド以外にモース硬度10の物質はありません。

見た目の同一性

見た目(輝き等)の同一性や、屈折率も同じく2.419、熟練の鑑定士でも見た目での判別は難しい(というよりも不可能)であり、専門の機械でわずかに含まれる不純物の有り無しで「天然かラボか」を判別しなければいけないくらいに同じであること。

以上の事から、天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドは、同じダイヤモンドと考えられております。

ラボグロウンダイヤモンドで得られるメリット

ここまで、ラボグロウンダイヤモンドについての特徴などを記載してきましたが、実際ラボグロウンダイヤモンドでどんなメリットがあるのでしょうか?

天然ダイヤに比べて低価格、同じ予算でも高品質で大きなダイヤが選べる

ラボグロウンダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと比べると価格が低価格である分、同じ予算でより大きく、より高品質なダイヤモンドを選ぶことができます。

小粒のダイヤモンド(0.1カラットや0.2カラット)ではあまり価格差を感じる事は出来ないかもしれませんが、例えば1カラット(Dカラー・VVSクラス・3EX)で比較すると、天然ダイヤですと約100万円~150万円程、ラボグロウンダイヤモンドの場合は15万円~20万円程で手に入れる事が可能です。

実際同じダイヤモンドですので、一生物のジュエリーにも、婚約指輪やプロポーズリングにもおすすめ。
年齢を重ねて存在感のある2カラットや3カラットを身につけたいと思っている方にもピッタリ♪
既存の概念にはない、もっと気軽で華やかなダイヤモンドジュエリーを取り入れたい方にもおすすめです。

品質が安定している

例えばダイヤモンドのエタニティリングが欲しい時に、色や輝き、見た目のツヤ等天然ダイヤモンドで全て統一させるのって結構大変なんです。

そのため、グレードの高いダイヤモンドで気に入ったデザインや試したいデザイン等を気軽に、一定の品質のダイヤモンドで作ることができるのもメリットのひとつではないかと考えます。

人と環境にやさしくてエシカルである

天然ダイヤモンドの採掘には自然破壊や人権問題など多くの問題を抱えていました。
現在世界的には、持続可能な開発目標として SDGs に取り組んでいます。時代の流れは確実にエシカルでサステナブルな社会へ移行しようとしているのではないでしょうか?

そうした観点からも安心で気兼ねなく利用ができるラボグロウンダイヤモンド、今後は天然ダイヤモンドではなく、ラボグロウンダイヤモンドを選ぶ人が増えて行くと考えられています。

ラボグロウンダイヤモンドのデメリット

上記ではラボグロウンダイヤモンドのメリットを紹介いたしましたが、デメリットも知っておくことでより選択に後悔なく、満足のいく選択ができると思いますので、こちらもご覧ください。

投資向きではない

宝飾用としてではなく、投資用としてダイヤモンドを購入される方もいると思いますが、ラボグロウンダイヤモンドには投資用としての資産価値はあまりありません。

しかしながら、私自身は、天然ダイヤモンドにおいても、ある一定の価値基準のあるダイヤモンド以外は投資向きではないと知っています。

例えば、我々一般人が頑張って購入することのできる1カラット(D-Eカラー・VVS2・3EX)の天然ダイヤモンド、GIAと中宝石研の鑑定書の付いたダイヤモンドの場合、購入した時は約120万円でしたが、これを買い取りに出す場合、20万円~30万円になってしまうのです。もちろんこのダイヤは投資目的で購入したわけではなく、興味本位で聞いただけなので、このダイヤモンドを購入したこと自体に後悔はありません。

申し上げたいのは、天然ダイヤモンドも投資目的や、値が上がることを期待して買うものではないということです。

天然ダイヤモンドと100%全く同じではない

ここまでに散々天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドは、同じダイヤモンドと書いてまいりましたが、全く同じではないとはどういうこと?ってなるかと思います。

資産価値として低いこともそうですが、「成分が同じ=まったく同じ物」ではないのです。
養殖のマグロと天然のマグロでは、同じ魚であってもその価値や値段が同じではないように、天然のダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドは同じものではないと思っておいてください。


天然のダイヤモンドには、ラボグロウンダイヤモンドにはない希少性という価値があります。宝石の希少性にこそ価値を見出す人は少なくありません。特に品質の高い天然ダイヤモンドは限られているので、珍しいからこそ購入したいという人にとっては、ラボグロウンダイヤモンドを購入することはデメリットでしかないのです。

高品質で安定しているが故に、個性がない

ラボグロウンダイヤモンドのメリットとして、高品質で安定していると言おう事を上げましたが、逆に言うと個性がないということになります。

天然ダイヤモンドは、宝石によっては傷がついていたり、インクルージョンと呼ばれる内包物が含まれていたりします。一般的な宝石の価値としては下がりますが、その石にしかない唯一無二の個性を持っているのです。

そうした個性も楽しみたいという方にとってはラボグロウンダイヤモンドは向いてないと言えるでしょう。


ラボグロウンダイヤモンドを選ぶときのポイント

まだ日本ではそれほどメジャーではないラボグロウンダイヤモンド、表示されている品質と実際に届いた品質が違っていたなどと言う声も聞こえてまいります。そんな失敗をしない為のラボグロウンダイヤモンドを選ぶときのポイントを少しご紹介させていただきます。

ラボグロウンダイヤモンドの品質をチェック

ラボグロウンダイヤモンドには天然ダイヤモンドと同様に、「4C」による品質が明確に存在しているにもかかわらず、販売するお店によっては「4C」の記載なしに単に「ラボグロウンダイヤモンド」と表記されているお店も見かけます。ラボグロウンダイヤモンドは、人の手により管理され生成がされますが、すべてが高いクオリティーで出来上がるわけではありません。

購入を検討される際には、必ず「4Cグレード(カラット・カラー・クラリティ・カット)の記載のあるアイテムを候補として選ばれることをおススメいたします。

因みにジュエリーキャッスルでは、使用する全てのラボグロウンダイヤモンドをグレード記載しており、ラウンドカットは0.3カラット以上、ファンシーカットは0.5カラット以上のラボグロウンダイヤモンドには、全て世界的なダイヤモンド鑑定機関である「IGI」の鑑定書が付属しておりますので、安心してお選びいただけます。

おススメのグレードは?

おススメのグレーディングとしては、カラーはE-Fカラー以上(D-E-Fカラー)、クラリティはVS2以上(VS2-VS1-VVS2-VVS1-IF)、カラットはお好みで、カットはラウンドカットであればEX以上(EX-2EX-3EX-IDEAL)を推奨しております。

※理由は不明ですが、クラリティIFグレードはそれに該当する場合であってもIFと記載がされずVVS1と記載されることが多いようです

ジュエリーキャッスルで使用するラボグロウンダイヤモンドのグレード

鑑定書の付属はあるか

品質を証明する鑑定書(ダイヤモンド・グレーディング・レポート)の有無も、販売店よって異なります。鑑定書はダイヤモンドの品質を保証する安心材料になります。一生ものの贈り物の際には、こちらも品質と同様、ぜひ注目しておきたいポイントです。

ジュエリーキャッスルでは、ラウンドカットは0.3カラット以上、ファンシーカットは0.5カラット以上のラボグロウンダイヤモンドには全て国際的鑑定機関IGIの鑑定書が付属いたします。

ジュエリーキャッスルが使用するラボグロウンダイヤモンドのこだわり

婚約指輪や大切な記念日の贈り物としても安心してご利用いただけるよう、一部の特殊形状を除き、原則すべてのラボグロウンダイヤモンドは【カラー:Dカラー】【クラリティ:VVS2】【カット:EX以上】を使用しております。

小粒のダイヤモンドにつきましてはVVS2がほぼ存在しない為、クラリティはVS1となっております。

まとめ

ラボグロウンダイヤモンドは既に、本物のダイヤモンドとして世界的に認められています。地球環境に配慮されたエシカルなダイヤモンドに、この先さらに注目が集まることでしょう。

天然ダイヤモンドにこだわらない、劣らない、ラボグロウンダイヤモンドの輝きでおしゃれを楽しんでみてはみてはいかがでしょうか。